inner-castle’s blog

読書、キリスト教信仰など内面世界探検記

読書&映画等感想文

藤井武著「羔羊の婚姻」

藤井武著「羔羊の婚姻」 藤井武は、内村鑑三の弟子で無教会派の独立伝道者であった。彼は石川県金沢市の出身だが、父の東京赴任に伴い上京。一高・帝大出のエリートである。卒業後、4年間内務省官僚として勤務したが、キリスト教伝道の志やみがた辞職して、…

昭和29年のヨハネ伝講義

私の両親は、戦後間もない東京の下町で開拓伝道をしていた。その頃から、最初は求道者として、受洗後は信徒として、私の両親と深く交わり支えて来て下さった方がいる。先日、久しぶりにお会いしたくなり、お住まいを訪ねた。 喜んでお迎えいただき、お元気に…

神学論集「烈しく攻める者がこれを奪う」を読んで

私はクリスチャンであるが、信徒(レーマン)であり、神学的訓練など受けたことはない。その私が、お門違いの新約聖書神学論集など手に入れたのは、著者の住谷眞氏が歌人でありたまたまネットでその短歌を読んだからである。そして、幼い頃から親しんできた…

死後の生:リンドグレーン著「はるかな国の兄弟」

リンドグレーンは「長靴下のピッピ」でおなじみの作家だけれど、私はあまり魅かれなかった。明るく、屈託がない子供(ピッピのような)なんて共感が起きなかったのだ。子供の心には、恐れや自信のなさ、迷いや混乱が存在している。もがいてもがいて、縋り付く…

映画「マグダラのマリア」

レンタルで「マグダラのマリア」という新作DVDを見かけ、借りてみた。 マグダラのマリアは、イエスの女性弟子の一人で「七つの悪霊を、イエスに追い出してもらった」と聖書に書かれている。ということは、現代風にいえば重い精神的障害をイエスに癒された…

映画「ボヘミアン・ラプソディ」

年末に、話題の「ボヘミアン・ラプソディ」を観た。 「クィーン」は私とほぼ同世代のロックバンドである。だが、彼らがヒットしていた時は、子育てや生活に追われてロックミュージックどころではなかった。流行っていることだけは知っていたが、ほぼ初体験で…

泥足にがえもん

C.S.ルイスの「ナルニア国」物語シリーズは、子供向けファンタジーとされているが、私も大好きな読み物である。あまりキリスト教的に解釈しなくても、素直に、物言う動物や登場人物のキャラクターを楽しんでいいと思う。 シリーズの1巻に「銀の椅子」が…

映画「パウロ」を見て

先日、渋谷で映画「パウロ」を観た。正直言って、やはりね~と、ため息が出る内容であった。一番神経に触ったのは、ローマの大火の結果、キリスト者に対する迫害が起こり、街灯の代わりにキリスト者を焼き殺して灯りにするなどの悪趣味な描写があったことで…

映画、「孤独のススメ」感想

レンタルビデオ屋をのぞいた。コメディの棚に、初老の男のカバーで「孤独のススメ」があったので、借りてみた。 真っ平らなオランダの郊外をバスが走っている。乗客も少ない。初老で独り者の男(フレッド)が、バスをおりる。自宅前の原っぱで子供たちがサッ…

上橋菜穂子「闇の守人」、愛する者を弔うということ。

日本文学には、聖書の神の意識がなく、情感的には共感するだけに、知的結論にはどうもついていけない気がする。 だが、これだけは日本物でなくてはと思う分野がある。それが、剣豪小説や格闘技の登場する分野である。といっても眠狂四郎の円月殺法のような、…

アイヴァンホー(2) ドラクロワ「レベッカの略奪」

ドラクロワ展を見に行ってタイトルの絵に出会った。絵の題材はおおかた聖書かギリシャ・ローマ神話と思いこんでいた私には、さっぱり何の絵かわからなかった。一人の獰猛な顔つきの黒人が火事場とおぼしき立派な部屋から女を拐帯して脱出する場面を描いてい…

「ジェーン・エア」を読む

「ジェーン・エア」を読む ①キリスト教信仰の観点から 永年、映画や小説で「ジェーン・エア」を愛読してきた。全体に英文学を好む私であるが、それだけでなく、文化や時代を異にするとはいえ、貧しい牧師の娘として育った作者に自分と共通する意識(キリスト…

アイヴァンホー(1)小説はダイジェスト版でなくオリジナルで読もう

むかし、小学校の図書室で、子供版の「アイヴァンホー」を読んだ。騎士道やら城の攻防やら、血湧き肉躍る小説だった記憶がある。 その後、岩波文庫で「アイヴァンホー」上下2巻を見かけて読んでみた。騎士道やら城の攻防やらの話の筋だけでなく、著者スコッ…