inner-castle’s blog

読書、キリスト教信仰など内面世界探検記

ダス イスト グート、これでいいのだ

 近代短歌を検索していて、「バカポンのパパが最後にいうせりふこれでいいのだこれがいいのだ」(住谷眞)を発見。住谷眞氏を検索したら、なんと新約学者で歌人、聖書協会共同訳の翻訳者の一人であることが分かった。現役の牧師だそうである。短歌というとキリスト教信仰と縁遠い感覚のものばかりなので、信仰者の短歌を読んでみたく、歌集を入手したかったがだめだった。そこでアマゾンでヒットした神学論集「烈しく攻める者がこれを奪う」を購入した。少しずつ読んでみるつもりだ。

 実は、私の父はゲーテが大好きで、幼くてまだ暗記力抜群だった私に色々ゲーテの言葉を暗記させ、楽しんでいた。そのうちの一つが「ダス イスト グート」(これでいいのだ)であった。今はドイツ語で表記することもできるが、幼い時分に意味も知らないまま暗記したこの言葉がカタカナ表記で蘇ってきた。ゲーテはどんな心境でこういったのであろう。また、父はどんな心でこの言葉を子供に暗記させたのであろう。しかし同じキリスト教伝道者の住谷氏のこの短歌は、漫画のバカボンを思い出させながら、本音は同じ「ダス イスト グート」を表現している。私自身は不満だらけの自分の人生を振り返り、しかし主の導きの中に過ごさせていただいたことを感謝して、この言葉を言いたいと思う。

 住谷氏のこの短歌、深刻にならずしかも自分を深く受容できた感慨を歌ったものと受け取って、愛誦短歌の一つに入れることにした。