inner-castle’s blog

読書、キリスト教信仰など内面世界探検記

アウグスティヌス「神の国」

 半年ぶりの投稿である。自分の読書感想を記録するためにこのブログを開始したのだが、アウグスティヌスの「神の国」(文庫五冊)を読み始め,途中で挫折して中断してしまった。
 私は、彼の有名な「告白録」を読んで感銘を受けた記憶がある。またボッティチェリの絵画に触発され、「三位一体論」を読んだこともある。難解な「三位一体論」に較べればこの本は分かりやすい。だが、ローマが蛮族に侵略されるのはローマの神々を捨てキリスト教の神を礼拝したからだという非難に応える、というこの本のテーマが余りにも私達の関心からかけ離れていた。ローマの神々やその信仰を勉強するのに骨が折れた。やっとその部分が終り、今度は古代ギリシャ哲学との対決となる。ギリシャ哲学にはあまり興味がなかったが一応勉強になった。だが、神の国と地の国という二つの国の歴史に入ると、今度は聖書解釈が古過ぎて退屈なのである。それに、ユダヤ民族の運命については、アウシュビッツ以後の私達と古代のアウグスティヌスでは感覚が大分違う。ついに、第17巻半ば(文庫四冊目途中)で投げ出してしまい、娯楽的な読書にふけっていた。
 ところが、5月に交通事故で鎖骨骨折という負傷をしてしまった。パート勤務どころか日常生活も片手では難儀な状態である。全治するまで当分、生きる為にだけ生きるという情けない生活となる。そこで怪我の功名、途中で挫折した「神の国」読了を決心して、少しずつ読み始めた。金子晴勇という人の入門書も手に入れたので、読了し感想文が書けるようになったらまた投稿したいと思っている。